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「一人は万人のために、万人は一人のために」
庄内医療生活協同組合 鶴岡協立病院
運営・経営方針
1.運営・経営方針
庄内医療生活協同組合は1964年に29人の組合員と68,700円の出資金、一人の医師と数人の職員でスタートしたが、現在は40,000人あまりの組合員と25億円を超える出資金を持ち、鶴岡協立病院、協立リハビリテーション病院、4つの診療所、総合介護センター、訪問看護ステーションなどを運営し、地域医療に不可欠な医療機関として前進を続けている。
堀内院長に運営や経営の方針について伺った。
「この地域は都会より10年早く少子高齢化が始まっています。都会はこれから在宅医療や介護を充実させていくところですが、こちらでは人口減少にどう対応するかが課題です。
当院の機能は急性期、亜急性期、慢性期、介護、在宅医療となっていますが、これはこの地域の医療や介護の状況に適した体制なんですね。
高齢者を中心とした医療になりますが、高齢者にも急性期医療が必要な方々もいますので、そういうわけにはいきません。
在宅医療でも尊厳のある看取りを行っていきたいです。自分の死ぬ場所をどう選ぶのかを患者さんとともに考えていきます。
笑って死ぬのは難しいかもしれませんが、この地域の方々がここで生まれて、ここで死んでいくのが幸せと思ってもらえるよう、我々がきめ細やかに対応していきたいと思います。」
2.地域連携と今後の展開
鶴岡協立病院の地域医療連携室では鶴岡協立病院と地域の医療機関、開業医と信頼関係を構築し、病診連携や病病連携を強めていくことを目指している。
「現在、『地域医療連携推進法人』が注目されています。『地域医療連携推進法人』は地域の病院や介護施設が一つのアライアンスを作り、地域全体の病床数を調整し合い、患者さんを紹介しあうものです。
北庄内では酒田市の日本海総合病院、本間病院、酒田地区医師会十全堂、2つの介護施設の5つの機関が一つになって地域医療連携推進法人をつくる計画が進んでいます。
当院のある南庄内では地域医療連携推進法人の計画はありませんが、それぞれの医療機関がそれぞれの特色を出しながら、地域の中で運命共同体としての連携をすべきですね。
当院の生き残りだけを考えるのではなく、地域の方々が幸せでいられる未来を見据え、地域全体で取り組んでいきたいと考えています。」