院長メッセージ
当院は医療生協の病院だからか、非入局の医師が多く、モチベーションと自由度の高さがあります。地域の要望に対して、自分たちで応えていこうとする気風があり、誰かが方針を決めるのではなく、集団的に議論しています。地域の人たちの傘下で、患者さんのことを第一に考えながら、病院をどうしていくかという議論をする「生協マインド」を持っているんですね。私が当院に来たのは地域のために必要な医療を自分たちで勉強して切り開いていこうとする姿勢が好きだったからです。今は急性期病院としての面が強いですが、その中でも複雑な病気を抱えていたり、家庭や経済的に恵まれない人たちを断らずに力になろうというコンセプトがあります。そして、臨床研修病院として、地域医療に情熱を燃やせる医師を養成すべく、全職種が力を合わせています。今風に言うところの多職種協働ですね。他職種が非常に優秀で、医師にも言いたいことを言ってもらっています。
当院は「これとこれをやってもらえればいい」という病院ではありません。新しい先生には役に立つと思われたことを当院で積極的に広めていただきたいです。「この地域で足りなさそうなことに自分の腕を活かしたい」と言ってくだされば、病院の皆でサポートします。特に糖尿病、循環器、リハビリなどを専門にしていらっしゃる方はいつでも歓迎です。患者さんが家族ぐるみでかかることができ、ワンストップで済む病院を目指しているので、診療科も増やしていきたいし、在宅医療も充実させたいと考えています。
個人的には医師は専門性を持つことが大事だと思っていますが、患者さんから求められているのは専門性と総合性を兼ね備えた、いわゆる「使える医者」です。超高齢社会と貧困格差は人々の健康に大きな影響をもたらしています。医師の任務として、SDH、社会的決定要因から逃れることはできません。社会に目を向けて、貧困や格差の中で取りこぼされていく患者さんの健康問題を何とかしようという、情熱を持った医師が地域には必要です。地域の声に耳を傾け、必要であれば一肌脱ぐという医師に集まってほしいです。他科や他職種と連携できるのもキーワードですね。俺が俺がという医師は少なくありませんが、若い医師の皆さんには連携の中で力を発揮し、自分も生かされたうえで自分の役割を見出せる医師になってほしいと思っています。