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地域まるごと健康づくり
病院の特徴
1.救急・総合診療科
救急・総合診療科では断らない救急医療、外来から入院まで継続性を重視した総合診療、在宅や診療所の家庭医療を行っている。救急はER方式で、軽症、外傷、小児の多い夜間や休日も受け入れている。
「日中は総合診療科で診ますが、誰もがお金などを心配せず、安心して来ていただけるように間口を広くしています。総合診療科と各専門科が協力することで医療が成り立つので、地域医療に必要な専門科の強化も必須です。夜間はかかりつけ医ではなく、当院にという方も多いです。こちらに移転してきて3年ですが、救急患者さんは非常に増えています。しかし、コメディカルスタッフも積極的に仕事をしてくれていますので、順調に診療できています。」
東葛病院は紹介状がなくても受診できるので、患者さんの層も様々だ。
「都内に通勤する方が電車から当院が見えたからという理由で来院されることもあります(笑)。ただ、小児科の病床は当院にしかないので、近隣からの期待は大きいです。週末や夜間など、子どもさんは増えていますね。日中は小児科で診ますが、週末や夜間は救急・総合診療科で診ています。」
2.内科系
消化器内科、循環器内科、呼吸器内科、腎臓内科といった専門科に分かれ、それぞれで診療を行っている。また、付属の診療所でも高齢者の疾患や慢性疾患を中心に診療している。一方で、診療所は訪問診療にも力を入れ、東葛病院付属診療所では250軒もの訪問先を抱えている。
「私が以前いた代々木病院は都心ということもあり、高齢の患者さんは通うことが難しくなると来院されなくなってきました。しかし、流山市は高齢の方がまだ少なく、当院の外来にも多くいらっしゃっています。20年前の日本の医療がここにあると実感しています。これは研修医の先生方にも良い勉強の場になるはずです。」
3.外科系
外科では食道、胃、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓、脾臓といった消化器の疾患、乳腺、甲状腺、ヘルニア、肛門疾患、下肢動脈瘤、呼吸器疾患などの手術を行っている。常勤の麻酔科医もいるので、緊急の手術には24時間対応が可能となっている。最近は腹腔鏡下胆嚢摘出術、大腸切除術、胸腔鏡下肺切除術などの内視鏡手術の件数が増加している。
「外科に関しては悪性疾患ですと、国立がん研究センター東病院が柏市にありますし、東京慈恵会医科大学附属柏病院などの競合が多い地域です。しかし、このほど泌尿器科の体制が戻りましたし、整形外科は東京大学からの支援をいただいていますので、当院としてはこれからの伸びしろに期待しています。」
4.産婦人科
産婦人科は自然で不安のない妊娠出産を通じて、ご家族が絆を深め、地域で安心して子育てできるような支援を行っている。助産師による妊婦健診、両親学級(マタニティクラス)などの保健指導も活発だ。
分娩についてはバースプラン、家族立ち会い分娩、フリースタイル分娩、早期母子接触(カンガルーケア)などの対応を行っている。また、出産後の産褥入院も始めたところだ。
「競合の病院もなく、地域からのニーズが非常に高いのが産婦人科です。柏市、松戸市などの分娩施設はクリニックが中心なので、そういった地域からの患者さんも多く来院されています。今後は医師の体制をさらに充実させていきたいと考えています。」
5.小児科
流山市の人口は2019年4月現在19万人を超え、そのうち14歳までの人口は29736人と、全国的に見ても非常に高い割合となっている。そのため、東葛病院の小児科はこの地域の小児医療の中心的存在となっている。外来は一般外来、ワクチン接種、乳児健診、アレルギー外来、小児神経・乳幼児発達外来を行っている。また、入院についても10床を有し、全て個室対応をとなっている。
「常勤医師が7人いるのですが、それでも診きれないほど患者さんがいらっしゃいます。ベッドに関しては小児は回転が早いのですが、1日42人の入院があった日もあります。地域からの期待の大きさを感じます。」
6.回復期リハビリテーション
東葛病院では回復期リハビリテーションに力を入れている。「生活をみる」視点を持った退院支援が特徴だ。
「40床を確保しているのですが、常に満床が続いています。リハビリテーション科の医師、理学療法士などのセラピストともに募集中です。」