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地域密着型 高度な医療で愛し愛される病院
運営・経営方針
1.運営・経営方針
森山院長に運営や経営方針について、尋ねた。
「今はこの規模の病院への締め付けが厳しく、医療全体を見ても厳しい状況にあります。ここを乗り切るためには患者さんを増やすこと、売上を上げることが求められます。そこで必要なのは病院の役割を明確にすることです。大きな病院のスタッフであれば縦を意識しますが、当院のような規模の病院ですと横の意識を持たなくてはいけません。内科から総合診療科へといった幅を広くすることですね。大きな病院では内科が診断をつけ、外科が手術をして、また内科に戻して抗がん剤治療などを進めますが、当院は最初から最後まで一人で診られる体制を強めなくてはいけません。しかし、医師の仕事としては充実するものになるはずです。」
2.地域連携
金沢区は「在宅ネット」などがあり、区内の医療機関が良い地域連携を築けている。
「金沢区は特殊で、医師会、歯科医師会、薬剤師会が合同した三師会の活動が活発なんです。ほかの地域では勤務医と開業医が文面を送り合うだけで、顔を見たことがないということもあると聞きますが、金沢区はそういうことがありません。やはり顔見知りだと違いますよ。医師会は歯科医師会とも口腔ケアや嚥下については連携していますし、当院も訪問歯科の先生に来ていただいています。高齢の患者さんは色々な医療機関で薬をもらいますから、薬剤師会の方々とも患者さんの情報を共有しています。私はこのほど三師会の役員になりました。一般的には医師会などの会は開業医の先生方が中心ですから、病院の医師が三師会の役員を務めるのは初めてのことだそうです。今後は在宅医療の先生方とのチームを作り、地域の医療資源を有効に活用していきたいと考えています。」
3.今後の展開
何かに特化した病院ではないものの、普通の病院よりは「ここに来れば、これができる」という強みを構築したいです。一般病院としての機能を持ちつつ、特化できるものを模索しています。当院は障害者病棟はあるのですが、ケアミックス病院ではないので、別の形で役割を果たさないといけません。そこで地域包括ケアか、透析を検討中です。今は腎臓内科の常勤医師もいますので、透析の患者さんが悪くなったり、透析のトラブルにも対応できますから、新しい強みを持てるかもしれません。