外科医の転職(上)
2006年04月01日 コンサルタントS
兵庫県内にある某公立病院に勤務されているA先生は30代半ばの消化器外科医。医局人事で現在の病院に勤務されて2年、研修医の指導をしながら、当直は週2回、時には3回というのも珍しくない、厳しい勤務環境にある。この病院の外科は派遣先大学の医師引き上げの影響を大きく受け、地域中核病院にも関わらず、常に医師が不足している状態にあった。更に、激務に耐えかねた医師が次々と病院を離れ、手術件数も減り始めた。
年収は900万円。医局内でも中心的な役割を果たし、
外科医として脂ののり始めた時期で、メインの執刀医としてご活躍されている先生の勤務内容とはとても釣り合わないものだった。
「自分を正当に評価してほしい。」これが、A先生が転職の最大の要因だった。面談を重ねていく中で、通勤時間が片道2時間もかかり、研究に費やす時間もなく、日々積み重なる疲れから体調が思わしくない等、不満に思われている点は多岐に渡ることもわかった。