Win-Winの関係(上)
2016年09月15日 コンサルタントO
今回、ご紹介させて頂くJ先生は、私が担当させて頂いたDr.の中でも最も転職でお悩みになられたDr.でございます。
そのDr.との出会いは当社が運営するサイトからの問い合わせメールが最初でした。
その中には、そのDr.の専門科目や資格や修得されている手技等の記入欄もあり、そのDr.にどのような業務をお願い出来るのかが読み取る事が出来ます。
いつも通りにその内容に目を通していると、「あれ?専門科目が未記入だ」と言う点にすぐに気が付きました。
しかし、その後の資格の記入欄に「精神保健指定医」と記入がありましたので、精神科のDr.でただ単に専門科目の記入忘れとその時は思っておりました。
そして、Dr.の希望詳細をお聞きする為にご面談をさせて頂く事となり、早速、精神科医を前提とした質問等をさせて頂きました。
しかし、どの質問にも「うーん」と言われるばかりで、明確な答えが返ってきません。
それが、何度も続くので、ふと、問い合わせメールで専門科目が未記入であった事を思い出しました。
そして、その事をお伺いするとJ先生から「うーん」という悩みの原因を、せきを切ったかのように、お話しされました。
そして、その悩みには様々な要因があったのでした。
J先生は医師免許取得後10年の精神科医です。精神保健指定医も取得済みです。
普通であれば年齢が若い間は精神保健指定や専門医を取得しながら、急性期でスーパー救急等に従事されたり、薬物療法だけでなく電気療法等の他の診療まで、その見聞を広げられたりされる事が一般的です。
もちろんJ先生も認知症をはじめ、うつ病や統合失調症はもちろんの事、薬物やアルコール依存系も診て来られています。
それだけ、精神科医として活躍されていたJ先生が何を悩まれていたかというと、それは「内科への転科」でした。
しかし、転科すると決意をされていた訳でもありませんでした。
何故、そのような事を考えだされたのかをお伺いすると、J先生は一つ一つを噛み締めるようにお話しをされました。「精神科に於いて、身体合併症は付き物です。常に高血圧や糖尿病や他の内科的疾患を気遣いながら、精神科医としての診療を行わなければなりません。その事はご存じだと思います。しかし、残念ながら、今まで私が従事してきた病院は精神科医はいても内科医師がいない病院ばかりでした。中には、非常勤ですら内科医師がおらず、合併症に対しての相談すらもままならない所もございました。精神科はまだまだ薬物に頼る部分が多いのも事実です。その為にも、合併症に対しての内科医への相談は安全に診療を行うのに欠かせない事なのです。逆に言えば、内科医に相談もせずに診療を行う事に不安があり、それがストレスになって仕方がないのです。」
そうなのです。周りに相談する内科医がいないのであれば、自分がその内科医になれば良いという発想でございました。