元気をもらえる活発な先生との出会い(上)
2017年06月15日 コンサルタントK
N先生と初めてお話ししたのは年末も差し迫った11月のある日でした。
元々別の支社でずっとお付き合いのあった先生でしたが、その支社の担当者より「N先生が来年4月から東京に引っ越して勤務することを考えているようなので一度連絡を入れてほしい。」という依頼があったため、電話したことが始まりでした。
「どうもお忙しいところすみませーん!!」
電話をすると甲高い独特の声が返ってきました。
N先生は40代半ばの女性医師。事情を聞くと、知り合いの先生から東京に来ることを勧められ、自分も最新の医療知識を身に付ける為には東京にいれば学会や研究会に積極的に参加できるようになるという思いがあり、決心されたとのことです。
ひと通り先生の希望条件を聞いて、それに見合う案件探しがスタートしました。
1週間後、様々な医療機関に打診した結果、N先生のご希望に見合いそうな4つの案件を紹介しました。メールで内容をお送りすると早速、例の特徴のある声で電話が入り、矢継ぎ早に紹介案件についての確認が入りました。
「このAという病院は、周りの評判はどうなんですか?!」
「このB病院は、訪問診療も担当しないといけないんですか?!」
「C病院の事務長はどういう人ですか?!」
「D病院に現在勤務されている先生達は何年ぐらい勤めているのですか?!」
先生へは病院毎に勤務内容、条件等について詳細のご連絡は差し上げておりましたが、それ以外の内容を色々と質問されてきました。
「随分とせっかちな先生だな。」
その時の私の印象はそう感じておりました。
結果的にご紹介した4病院の中から2病院の話を聞いてみたいという事で選ばれ、N先生の上京する日にあわせて面接設定をしました。
その時までN先生とは電話で数回お話しするだけで直接お会いしたことはありませんでしたので、病院にお連れする前に1時間程お話する時間をいただくようにスケジュールを組みました。
いよいよN先生とお会いする日・・・。
私は待ち合わせ場所に早めに到着し、「電話の声からこういう風貌の方なのだろうな。」とある程度予想しながらN先生を待っておりました。
待ち合わせ時間の5分前くらいになり、「Kさんですか?」と前から私に声を掛けてきた女性がいました。その特徴のある声を聞いてN先生だとすぐに分かりました。私が予想していた通りの方で、非常に清潔感のある先生でした。
「いやあ、知らない土地にくるとどっちに行けばいいか全く方向が分からなくて迷ってしまいました。」と明るい声で話されました。
早速場所を喫茶店に移し、N先生との面談に臨みました。
約1時間の面談のあいだ、9割方はN先生が機関銃のように話していました。
現在の勤務先の話、今までの経歴、東京に来てからやりたい事、住まいの事、等々。
ただ、嫌味なところは全くなく、この明るさはきっとお連れする病院、いや患者様にもきっと好印象を与えるのは間違いないと感じておりました。
面談のあと、1つ目の面接するA病院にお連れしました。病院からは院長、事務長が対応していただきました。ひと通りの質疑応答のあと、院長と雑談に入りました。
「N先生はA大学出身だよね。実は僕もA大学出身なんだよ。」
院長が嬉しそうにN先生に話し掛けました。
「えー、そうなんですかぁ。何年のご卒業ですか?」
N先生も予期せず同門の先生がいらっしゃったことで、驚きながらも嬉しそうにご質問されました。
その後は、院長とN先生のお二人であの先生を知っているか?とか、近くの飲み屋はどうだったとか、30分程母校の話に花を咲かせていました。
病院を出て、駅に向かう道程でN先生は「いやあ、ここに来て同門の先生とお話しできるとは思っていませんでした。これも何かの縁かもしれませんね。」と嬉しそうに話されました。
もう一つのB病院にお連れする前でしたが、この時N先生の気持ちはA病院に行こうと決めていたのではないかと感じました。
その後、もう一つのB病院に行き面接に臨まれましたが、すべてが終了した後、
「やっぱり何かご縁を感じるので、A病院にお世話になろうかと思っています。」
N先生から予想した通りの回答がありました。もちろん、先生がご希望されている業務内容であるということが大前提としてあり、その上で院長が同門であるということがプラスとなってそう考えたとのことでした。
「あせらずごゆっくり考えられて、改めて正式なご回答を頂きたいと思います。」
N先生にはそのようにお話しして、その日は別れてN先生は地元に帰られました。