ドクター転職ショートストーリー

小児科医からリハビリテーション科専従医へ(上)

2018年11月15日 コンサルタントK

じめじめとした梅雨が終わりを告げる頃、初夏の爽やかな風が街を通り抜けるかの様に、快活で笑顔が素敵なO先生から、転職希望のご相談を頂きました。

O先生のご相談は、メールでお問い合わせを頂いたことがきっかけでしたが、その内容には日々多くのDrからお問い合わせを頂く中ではあまり見かけない文言が記入されていました。

それは、「障碍者雇用に理解のあるところ(原文のまま)」という一節でした。

早速、O先生にメールにてご連絡をさせて頂き、現状のご勤務やお身体の状況についてお伺いさせて頂いたところ、すぐに電話を下さりご自身の置かれている状況をありのまま、包み隠すことなくご教示頂くことができました。

O先生が仰るには、小児科医として勤務されていたある日の休日、友人と出かけた先で多発性脳梗塞を発症され、その後、後遺症として高次脳機能障害を患うことになり、現在に至るまで満足のいく勤務ができていないとのことでした。

外出先で倒れられた日から6年間はリハビリ中心の生活をせざるを得なかった様で、無我夢中で
リハビリに取り組まれたとのことでした。それからは、社会とのつながりを持つことを優先に、直接診療に携わることのない補佐的な勤務を開始され、様々な不安や問題を抱えながらもご家族の支えもあって、希望を持ちながら十数年間を過ごされて来たとのことでした。

現在では、身体的な不自由もなくお一人で日常生活を送ることにも全く支障がないとのことで、
ただ、長期記憶に少々不安な点がある為、こまめにメモを残すことで周囲とのコミュニケ―ションを良好に保っていらっしゃると教えて下さいました。
明るい声で、時折笑い話にしながらもご自身の壮絶な半生を語って下さるO先生の話を聞きながら、何と懐の深い方なのだろう、想像を絶する苦難を乗り越えると人はこんなにもはつらつと物事を語れるようになるのだろうかと、O先生の人間力に驚嘆させられました。

そして、必ずO先生に喜んで頂こう、O先生のお役に立とうと心に誓いました。

次へ続く

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