運営・経営方針
1.運営・経営方針
三愛会総合病院では地域密着に徹した運営を行っている。三郷市は南北に長く、三愛会総合病院は市の北部に位置しているので、主な患者さんは北部の住民の皆さんである。病診連携室があり、診療所、病院、施設などと連携を取って、紹介の患者さんをスムーズに受け入れられるような窓口となっている。
また、2003年に開放型病院としての認定を受け、地域の開業医に三愛会総合病院の施設や設備を開放し、ネットワークの強化に努めている。
「私は東京都板橋区の病院に長く勤めていましたが、板橋区は人口40万人ですが、病床数は豊富です。当グループの板橋中央総合病院のほか、大学病院も日大と帝京の2つあり、東京都立豊島病院、東京都健康長寿医療センター、板橋区医師会病院など、大病院がいくつもあります。さらに開業医の先生方も300人いらっしゃいます。ところが、三郷市は人口13万人を数えながら、大病院は私どものほか、三郷中央総合病院、みさと健和病院だけしかなく、開業医の先生方はわずかに50人です。したがって、開業医の先生方との連携は必須ですね。開業医の先生方が手術室に入られることはありませんが、紹介くださった患者さんの病室には頻繁にお立ち寄りいただいています。」
2.イムス三郷クリニック
三愛会総合病院のサテライトクリニックがイムス三郷クリニックで、2005年に開院した。イムス三郷クリニックでは外来透析を主体としているが、一般内科外来も行っているほか、リハビリテーションの施設も併設している。三愛会総合病院とは適切な病診連携を行い、受診、入院、検査など、三愛会総合病院で対応できる体制をとっている。
透析外来サテライトは明るい雰囲気が広がっており、最新の水処理装置も導入されている。
「患者さんに安心して透析を受けていただけるように、室内環境の整備に心を配っています。開設してから4年経ちまして、透析を希望される患者さんが増えてきましたので、2010年に25床から30床への増築工事を行ったところです。しかしながら、それでも満床が続いています。これから病院の改装に入りますので、透析ベッドのさらなる拡充も図り、さらに倍増させる計画です。」
3.公開講座
三愛会総合病院では2カ月に1回のペースで、公開講座を行っている。講師は医師やコメディカルスタッフで、多くの参加者を集めているという。
一方、三郷市はみさと団地のセンターモール商店街の空き店舗を利用して、高齢者の憩いの場である「ほっとサロン・いきいき」を開所した。みさと団地では高齢化が進んでおり、高齢化率は25%と、三郷市の平均に比べ、約5%高くなっている。独居や認知症などの問題を抱える住民が目立っているという。そこで「ほっとサロン・いきいき」を「ふれあい・見守り拠点」として整備した。三愛会総合病院もこの事業に協力を惜しまない。
「病院から徒歩1分の場所なんですよ。私どもでもスタッフが定期的に出向いて、健康相談などに乗っています。高齢者の方が気軽に立ち寄って、私どものスタッフとお話しされていますね。これからも地域の皆さんと密着した地域医療を行って、皆さんが安全、安心に暮らせるお手伝いをしていきたいです。」
4.今後の展開
今後は泌尿器科、透析をより充実させる考えです。一方で、現在、病院として医師不足の状態となっており、外科医師がいないために、救急医療に力を入れられない状態にあります。この状態を改善すべく、外科医を集めて、救急医療体制を構築し直したいです。救急に付随する整形外科、脳神経外科も同様に、医師を増員していきたいと思っています。
高齢化の進む地域に密着し、十分な医療を行ううえでは、内科、眼科、泌尿器科が不可欠です。私どもでは老人保健施設を複数、有していますので、内科の充実も図っていきます。