病院の特色
1. 外科
藤村病院は代々の院長が外科の医師だったため、外科を中心に発展してきた病院である。藤村作理事長も外科が専門で、今も週に2、3回の手術を執刀している。
「私の専門は大腸がんですが、私どもの手術としては胃がんが多いですね。たまに食道がんやすい臓がんの手術も行っています。父の代のときは痔の患者さんがよくいらっしゃっていたので、今も少なくありません。痔の治療の際に大腸がんが見つかることもありますし、大腸内視鏡検査で発見し、手術に繋がることもあります。外科と消化器科を併設していますので、検査を重視しているのが強みですね。」
国立がん研究センター中央病院との連携が深く、術後の患者さんの内科疾患なども藤村病院でカバーしている。
「最近はかなり高齢でも手術されますからね。私も100歳の方の手術を行ったことがあります。100歳ということよりも、ご自分の歯で食事をされていたことの方に驚きましたよ(笑)。私どもでは高齢の患者さんの合併症やリスク管理にしっかり取り組んでいます。」
2. 内科
佐藤晁医師が内科全体を管轄している。一般内科が中心で、糖尿病、高脂血症、肺炎などの疾患が多い。また、循環器内科は自治医科大学と連携している。心臓手術や心臓カテーテルを自治医科大学附属病院で行い、自治医科大学からの常勤医師が術後の管理などを藤村病院でフォローしている。
「内科の患者さんは外科よりもさらに高齢ですね。上尾市は人口の増加に比べて、高齢者人口の増加が著しいのです。大規模団地もありますが、団地内にエレベーターが付いていないので、自宅での生活ができず、老健に入らざるをえない方もいらっしゃいます。そういった患者さんの急性期から療養、介護までを一貫して診ることができるのは私どもの特徴ですね。」
3. 整形外科
骨折などの外傷が中心で、手術件数も多い。人工関節置換術も積極的に手がけている。常勤医師は佐藤吏(つかさ)医師のみで、非常勤医師が5人在籍している。
「佐藤医師は手の外科が専門ですので、珍しい症例が集まっていますね。また、週に2回は東京慈恵会医科大学から脊椎の専門医が来ています。」
4. 脳神経外科
神尾正己医師が常勤医師として活躍し、慢性硬膜下血腫などの手術を行っている。神尾医師は下垂体腫瘍の専門家でありながら、漢方も得意とし、内科を診ることもできるので、非常に忙しい診療科である。
「高齢者のニーズが高い診療科ですね。療養病棟に入院している患者さんの約半数がこの診療科の患者さんでしょう。脳梗塞、麻痺、脊髄症の変性症、胃瘻の点滴管理など、内容は多岐に渡っています。」
5. ペインクリニック
廖英和名誉院長と田中正史医師の2人体制である。田中医師は健康管理センターでの外来、検査に加えて、健診の結果を説明したり、産業医的な立場からの講演活動なども行っている。
「この規模の病院で麻酔科の医師が2人在籍しているのは恵まれていますね。田中医師は訪問診療にも積極的に取り組んでいます。」
ペインクリニックの特徴としては鍼灸師との繋がりが強いことが挙げられる。がん性疼痛のみならず、慢性的な肩や腰の痛みなどにも対応している。
「私どもはターミナルケアも充実させており、療養病床を設置したのも看取りのためです。老人保健施設や在宅で診ることも多いですが、がん患者リハビリテーション施設としての認定も受けていますので、抗がん剤治療のための入院に加えて、リハビリも可能です。また、在宅支援病院でもありますから、地域の開業医の先生方と一緒に診て、最終的に入院していただくこともあります。今後も地域の皆様のQOLの向上に努めていきたいです。」
6. 健康管理センターA-geo・townクリニック
1994年4月に開設した「藤村病院附属健康管理センター」は2013年5月に「健康管理センターA-geo・townクリニック」として、上尾駅東口徒歩2分の場所に新規開設となった。
診療科目は内科、耳鼻咽喉科で、健診部門として人間ドックや各種の健康診断を行っている。
「今回の移転で、大幅にスペースを拡充することができました。また、スタッフを増員し、利用者の皆様の利便性を高めました。健康管理センターのレイアウトを回廊化しましたので、各検査スペースへの導線が簡素化され、受信時間の短縮を図っています。藤村病院とも密接に連携しており、検査依頼なども多いですね。」