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「地域とつながり、安心感と温かみのある精神・高齢者医療を」
医療法人社団 研精会 稲城台病院
運営・経営方針
1.運営・経営方針
稲城台病院では2016年3月に「51年目のアクションプラン」を策定した。そこで、稲城台病院の果たすべき役割として、地域に開かれた医療センター、大規模多機能な医療センター、教育センターとしての稲城キャンパスを挙げている。
「精神科医療は薬も受け入れ体制も変わってきました。これからは患者さんを地域に返したあとで、どうするのかが大事になりますので、グループホームの開設を検討しています。また、当院では入院から外来へのシフトを行っているところです。当院は418床を抱える大規模施設で、さらに192床の老人保健施設が隣接されています。従来は病院のみで診ていたところもありましたが、今後はグループ全体でサポートしていく仕組みを整備しています。具体的には2016年中にデイケアや精神科訪問看護を開始します。」
一方で、組織力強化への取り組みも行う。
「特定医療法人化が目標で、2016年度中の承認を目指しています。特定医療法人には可視化が必須ですから、就業規則や給与規定の見直し、人事評価制度を制定しました。育児休業中の職員への支援強化、職員向け託児所の受け入れ体制拡大など、職員が働きやすい環境も整備しました。」
2.地域連携
稲城台病院は東京都認知症疾患医療センター(地域連携型)に指定されており、櫻井医局長がセンター長も兼任している。在宅医療支援についても行政と密に連携をとり、地域住民に適切な医療サービスが提供できるよう、医師会のみならず地域の医療施設や福祉関係機関等の会議にも出席している。
「当院は地域に開かれた病院であり、病病連携、病診連携に積極的です。現在は稲城市立病院、日本医科大学多摩永山病院といった急性期病院との連携がメインですが、東京都認知症疾患医療センターの認定を受けている場合は必ず連携先の病院が必要なので、多摩南部地域病院と連携しています。紹介の患者さんの数から言えば、東京都立松沢病院が最多ですね。もちろん、グループの山田病院からの紹介もあります。精神疾患や老いに関して、様々な困難をお持ちの方なら、誰でも利用できる医療センターでありたいですね。」
3.今後の展開
環境整備を一層、進めていきます。まずはアクセスの改善ですね。現在は小田急と京王の永山駅から1時間に1本の送迎バスを出していますが、やはり最寄り駅からのバスが必要ですので、今年の7月から若葉台駅、はるひ野駅を1時間に2,3回巡回するバスルートを新設します。同時にJRを利用する方のために南武線の南多摩駅のルートも新設します。