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「急性期医療から慢性期医療、在宅医療までをシームレスに繋ぐ」
社会医療法人 美杉会 佐藤病院
病院の特色
1.がん診療
佐藤病院は大阪府のがん診療拠点病院として、がん診療には非常に力を入れている。
「消化器系のがんは腹腔鏡に熟達した医師が3人おり、食道がんや肝臓がんも含めて、腹腔鏡で適応があるものは行っています。傷が少ないうえに、効果は同じです。特に食道がんは腹腔鏡だと合併症を少なくできますので、患者さんには喜ばれていますね。乳がんもベテランの専門医がメインで手術などをしています。」
前立腺がんを治療するのは泌尿器科であるが、佐藤病院では泌尿器科も日本外科学会や日本消化器外科学会と並んで、日本泌尿器科学会の認定施設になっている。
「オリンパスの高額な機械を導入し、三次元の画像を見ながら行っています。泌尿器科医も腕が良く、この機械の導入とともに他院から移ってきました。2時間ぐらいで前立腺がんを取りますし、尿失禁や出血もほとんどなく、良い成績となっています。前立腺の良性腫瘍はホーレップというレーザーで安全に取っています。病院の規模からすれば高額な機械ですが、患者さんのために良いことをやっていこうとする姿勢が地域の方々からの信頼になると思っています。」
化学療法は専門の医師が担当しているが、放射線治療についても専門医が在籍している。
「放射線治療の医師の採用は難しいのですが、高額な機械を導入したことで応募があり、常勤医師になってくれました。大阪市立大学出身のエキスパートで、難しい治療も行っています。京都大学からもバックアップやアドバイスを得ていますね。装置も一番高いスペックのもので、3テスラのMRIやノバリスTXを導入しています。お蔭様で高精度放射線治療が可能です。周りへの影響が少ない照射を前立腺や頭部、肺、肝臓などに行えますし、ソフトウェアも洗練されています。」
2.整形外科
整形外科には白井久也副院長のほか、2人の常勤医師と4人の非常勤医師が在籍する。2016年度の手術件数は409件となっている。
「白井副院長は手外科が専門ですし、難しい脊椎手術も積極的に行っています。日本整形外科学会の認定施設でもあります。」
3.医局
佐藤病院は佐藤理事長と河合院長が京都大学出身であるため、京都大学の関連病院と思われることが多いが、そのようなことはなく、医師同士の垣根が低いのが特徴である。
「確かに外科は京大、整形外科は大阪医科大学との繋がりが強いですが、学閥ではありません。当院と同じ枚方市内に関西医科大学がありますので、三次救急や当院にはない専門分野については助けていただいています。当院の眼科も関西医科大学からの派遣です。しかし、医師同士の垣根がないので、ベッドも有効利用ができているのです。当院では内科も外科も同じ医局です。内科の内視鏡の医師はハイビジョンを導入していますので、色々な相談もスムーズです。カンファレンスも毎週1回、行っています。
残念なのは研修医がいないことでしょうか。でも、地域密着の姿勢を持っていますので、その意味で腕を振るいたい先生、これから勉強したい先生には良い環境です。当院は大阪市と京都市の真ん中にありますから、都会に近く、勉強の機会も得やすいです。患者さんの数も問題ありません。応募してこられる先生方の大学は様々ですし、物品なども惜しみなくバックアップしていますから、自由に働いてもらっています。」