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「急性期医療から慢性期医療、在宅医療までをシームレスに繋ぐ」
社会医療法人 美杉会 佐藤病院
運営・経営方針
1.運営・経営方針
河合院長に運営や経営方針について、伺った。
「医師には余計な雑務にとらわれず、患者さんへの診療に集中してほしいと思っています。そのため、朝8時半から9時までの間に会議をしています。これに出席することで、急ぎの連絡ができたり、何か起こったときにも病院の方針を伝えることができます。9時にはピタッと終わって、診療に行けますから、だらだらした会議にならず、効率がいいですね。外来にも看護師以外にクラークを置いています。そういう事務方が間に入ると、医師の負担が減り、患者さんとしっかり向き合えます。短時間で多くの患者さんを診ることも可能になりました。
当院は基本的には患者さんの目線を大事にしており、患者さんの要望があれば、それにお応えするために診療科も増やしてきたのです。常勤医師が難しい場合は非常勤医師を含めての対応をしています。
経営に関してはできるだけガラス張りにして、数字をオープンにし、会議で共有しています。院長や理事長と医師が直接、会話ができますし、医師の不満がないよう、公平に考えています。朝の会議で意見が出たら、すぐに検討しますので、意見を言いやすく、風通しが良い環境です。」
2.地域連携・医療連携
佐藤病院の特徴の一つが地域密着であり、枚方市の地域連携ネットワークにも参加している。電子カルテを導入したのも地域の開業医と連携し、紹介の患者さんを必ず返したり、素早い返事を行うためである。
「枚方市のネットワークがなかった頃も開業医さんから紹介された患者さんのCTやMRIを撮ると、CD-ROMに読影をつけてお持ちしていたんです。ネットワークができ、開業医さんとのデータのやり取りがスムーズになりましたね。また、地域連携医療懇談会も開催しています。病院と開業医さんとの懇談会で、佐藤病院と男山病院で年1回ずつ、行っています。」
一般市民向けのセミナーも盛んで、市民公開セミナーや栄養課による健康セミナーを毎月、開いている。
「がんサロンも始めました。実績は少ないのですが、開かれた病院を目指して頑張っています。色々な機会を通して、地域の方々との交流を図っていきたいです。」
3.今後の展開
120床という病床数をどう考えるかですね。病床数を増やすのが難しいとなると、ベッドを有効利用しながら、診療の幅を広げることが大切になります。また、教育的な視点も必要です。研修医や若手医師を教える体制を作りたいです。将来的にはどのぐらいの規模がベストなのかを考慮しつつ、地域の方々がここに住めて良かったと思える街づくりに貢献したいと願っています。