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急性期から回復期への継続した医療を
地域密着で取り組んでいます。
病院の特色
赤穂中央病院は24診療科を標榜し、常勤医師44人、非常勤医師77人を擁している。長尾院長に病院の特色について、伺った。
「ある診療科に集中しているわけではなく、幅広く、全てをカバーしているのが特色と言えるでしょうか。地域完結という言葉がありますが、この地区で一通りのことは治してさしあげる病院です。この地域では細かい内容に特化した専門病院という形ではニーズがないですし、救急を頑張ろうとしても、走っている救急車の数は人口的にも知れています。姫路市内には大きな病院がありますが、わざわざ姫路市内や岡山県内の大病院に治療に行くのは大変ですし、この地区でできるだけ医療を完結させたいと思っています。」
1.外科
外科には6人の常勤医師が在籍し、それぞれが専門性を持ちながら24時間体制で緊急手術にも対応している。食道、胃、肝胆膵、大腸といった消化器の悪性、良性疾患が多いが、鼠径ヘルニアや一般的な外傷の治療にもあたっている。近年では甲状腺、乳腺、胃、胆嚢、大腸などには鏡視下手術が増えている。特に胆嚢の手術に関しては単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術を取り入れている。また、胃がん、大腸がん、肺がんなどの悪性腫瘍もできるだけ鏡視下で行っている。
「胃がんや大腸がんなどの標準的な疾患の手術はどちらの病院でも多く行っています。しかし、エリアの特性、人口規模、病院の規模からすれば、当院はそういった手術はもちろんですが、脳の手術や心臓の開心術なども行っている特徴があります。」
2.血液内科
日本血液学会認定血液研修施設として、2人の専門医を含む3人の医師が協力して、血液疾患全般の診療を行っている。2床の無菌室を有し、白血病や悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などの造血器悪性疾患に対して、最新の化学療法を行っている。また近畿圏や中国地域の高次病院と連携し、造血細胞移植などの先進医療にも対応している。
「血液内科の専門医のいる病院は少ないので、姫路市あたりの遠方からも紹介患者さんが来られています。」
3.呼吸器科
呼吸器科では肺がんなどの悪性腫瘍、肺結核や非結核性抗酸菌症といった感染症、自然気胸、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、じん肺、石綿関連疾患などを扱っている。
赤穂中央病院での肺がん治療の特徴は診断から手術や化学療法などの治療を一貫して呼吸器科で行うことにある。また、胸腔鏡手術や肺を残す縮小手術を行っていること、PET検査を活用していることも挙げられる。診断法にあたっても、PET検査のみならず、気管支鏡やベテランの放射線科医によるCTガイド肺生検、胸腔鏡生検などを駆使し、正確な診断をつけている。
術後の酸素療法も特徴的だ。従来の酸素マスクでは実際に吸い込んでいる酸素濃度を決めることができないため、赤穂中央病院では手術直後に正確に酸素濃度を設定できるハイホーネブライザーを使用し、刻々と変化する肺の酸素を取り込む力を正しく評価している。
「呼吸器科は今までは外科医のみで行ってきましたが、呼吸器内科医も今後赴任予定となっています。外科医と内科医が揃えば、今後もさらに充実した診療科となりそうです。」