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医療と福祉をつなぎ
すべてのいのちの虹になりたい
病院の特色
1.周産期医療
済生会兵庫県病院は2016年に地域医療支援病院の認可を受け、神戸市北区の基幹病院として総合的に急性期医療を提供している。その中で、周産期医療としてはBFH(Baby Friendly Hospital)やメンタルヘルスケアが特徴だ。
「神戸市北区には公立病院がなく、現在は南はJCHO神戸中央病院が、北は当院が総合的な急性期医療を提供しています。その中でも周産期母子医療センターは北区の医療圏に留まらず、六甲山以北の周産期医療の受け入れも行っています。当院の母子センターの特徴の一つとして、NICUやGCUを有しながらBFH、『赤ちゃんにやさしい病院』に認定されていることがあります。NICUを持つことと極力母と子を離さず診療を行うことは相反するので難しいことではありますが、母と子の信頼関係の確立のため積極的に行っていきたいと考えています。一方で、核家族化が進み、親族やご近所との繋がりが薄れる中、産後うつに陥る方が増加しています。当院では精神的なケアも重要視し、産後検診時のケアを行っています。」
2.急性期医療
山本院長に済生会兵庫県病院の急性期医療の特徴を診療科目ごとに伺った。
- 外科「手術だけではなく、化学療法や緩和ケアのプロフェッショナルもいるので、診断から手術、化学療法、緩和ケアまで同じ医師とスタッフで診るようにしており、患者さんに『信頼と安心の医療の提供』を行っています。」
- 呼吸器外科「呼吸器外科を六甲山以北で行っている医療機関は非常に少なく、その役割は大きいものがあります。人材が少ない中、当院でも2人体制なのですが、がん症例もあります。将来的には呼吸器センターを立ち上げたいと考えています。」
- 乳腺外科「放射線治療機器がないにも関わらず、北区でのシェアは50%以上を占め、真摯に取り組んでいます。」
- 整形外科「地域住民の高齢化が進んでいる中で、特に人工関節手術、脊椎、外傷の患者さんが増加しています。脊椎にはベテランの医師がおり、人工関節センターもあります。」
- 内科「消化器の医師は現在4人いますが、さらなる人材確保を図っています。消化器センターでは、検査だけではなく、近年は内視鏡手術であるESDが激増しています。」
- 眼科「現在、眼科は医師1人体制ということもあり、予約が3カ月待ちとなっています。」
- 救急「現在の救急搬送件数は約1500件で、地域医療支援病院の基準はクリアしていますが、北区全体では1万件ほどあるので、さらに受け入れ体制を整えていきたいです。小児救急に関しても六甲山以降は手薄になっており、現在は二次急輪番体制をとっていますが、当番病院が十分に確保できない現状です。当院では輪番日以外であっても可及的に受け入れるようにしていますが、この先、二次救急がとれるよう、マンパワーや体制を充実させることが必要ですので、各方面に働きかけを行っているところです。」