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医療と福祉をつなぎ
すべてのいのちの虹になりたい
運営・経営方針
1.運営・経営方針
山本院長に運営や経営方針について、伺った。
「基幹病院として、その機能を維持発展させていくことが当院の社会的責務です。済生会は公的病院ということで、周産期医療や救急など、地域にお住まいの方々に密着した医療を担っており、経営面だけを考えられない難しさはあります。また、災害対応病院としても地域医療提供体制を整えていく必要があります。昨年は7月の集中豪雨により、線路や道路が遮断されて孤立状態となり、改めて当地の災害に対する脆弱性が浮き彫りとなりました。当院では備蓄体制などの見直しを行いましたが、三田市や北区の病院間で連携を厚くし、さらなる災害対策を強化していければと考えています。」
2.地域連携
山本院長に地域連携についても伺った。
「地域医療支援病院として地域完結型の医療を目指すため、病診連携、病病連携を重視しています。幸いに北区では医師会と密に話ができる機会が多く、月に1回の連絡会や年2回勉強会、懇親会などを通じて、忌憚のない意見交換ができる環境にあります。また、北区の19病院間でほとんどの病院が集まる会議を年4回ほど行っていますが、医療と介護の連携をスムーズに行うための入退院時連携ガイドライン作成、認知症合併患者さんの精神科病院との連携などの課題が検討されているところです。何かアイデアの提案をすれば全体で検討できる風通しの良い環境ですので、医療、介護、福祉関係者と連携を強化して、地域包括ケアシステムを構築していきたいと考えています。」
3.今後の展開
神戸市北区と三田市、篠山市などの周辺地域には三次救急に対応できる基幹病院がありません。当院の患者さんの40%弱は他圏域の方になりますので、地域医療について考えていくうえでは二次医療圏を越えた形で、地域にお住まいの患者さんを総合的に診られるようにしていきたいと考えています。そのためには良い人材を確保、育成していかなければなりません。昨年、臨床研修病院指定の認可を受け、今年から2人の研修医を受け入れることとなりました。まずはこれを起爆剤にして、良い人材育成ビジョンを作り、良い病院づくりに取り組んでいきます。