病院の特色
1.救急
山陽病院では救急医療を始めたところである。
「医師を育てようと思ったら、色々な症例を診ていかないといけません。その中で少し重たい精神疾患の患者さんも診ないといけないため、救急を始めたのです。また、高齢者に特化すると、高齢の方ばかり来院されてしまいます。それでは症例が足りなくなるんですね。それに、うつ病の患者さんの治療にあたっては、高齢者とうつ病の患者さんが一緒にいた方がうつ病が改善することもあります。全く違う世界を見せられるだけで治っていく方もいらっしゃるのです。これからの医療は救急にまた戻っていかないといけないという思いがあります。国も介護にシフトしようとしていますが、目の前の救急患者さんを診ていくことが医療の基本だと考えています。」
救急を始めて、患者さんの層にも変化が見られた。
「若い患者さんがいらっしゃるようになりました。若い患者さんは高齢者とは全く違いますので、職員はリフレッシュせざるを得ません。職員の成長を促してくれるきっかけになっているようです。」
2.在宅医療
在宅医療についても伺ってみた。
「当院でも在宅へ帰していきたいのですが、難しいです。精神科の在宅医療が進まないのは精神科の患者さんに対する制度自体ができていないからなのです。病院のベッドがあるから、ずっと入院しているわけではありません。入院費の方が安いからなのです。精神障害で障害年金しか取られない場合、部屋を借りて生活するのは厳しいです。そのため、生活保護を受けたりするのですが、そういうことを組み立ててさしあげる努力が必要です。」