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「高度な医療で愛し愛される病院」
牧野記念病院
病院の特色
1.一般内科
消化器内科を得意としているが、高血圧、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病の診療や様々な急性疾患にも対応し、地域のプライマリケアを担っている。また、開院当初からの在宅診療も特徴の一つだ。消化管ではポリペクトミー、EMRや食道静脈瘤硬化療法などを行う。肝臓、膵臓にはMRCP、ERCPを行い、総胆管結石にはESTやEMRも施行する。内視鏡の2015年度の実績数は上部845例、下部296例、EMR35件となっている。
「常勤医師が3人、非常勤医師が数人います。以前よりスタッフが減ってきたこともあり、消化器をメインにして、広く診ていきたいと考えています。『大きな開業医』として、プライマリケアをしっかり診ることを心がけています。現在、一般内科の常勤医師を募集しています。」
2.外科
一宮博勝名誉院長がリードしてきた診療科だが、現在は岡田了祐部長が采配を振るう。岡田部長の専門は消化器外科であり、日本外科学会の認定施設にもなっている。近隣の開業医からの紹介も多い。手術は胃がん、大腸がん、胆石、総胆管結石症、盲腸、ヘルニアが多く、件数は年間約100件である。放射線科の常勤医師がおり、読影の体制が充実していることも特徴だ。
「当院は東京医大の第三外科の医師が始めた病院であり、第三外科は消化器を扱っていたのです。ですから、当院も最初から消化器をメインとしていたんですね。かつては胸部外科の専門医もいましたが、現在は消化器外科だけですし、消化器内科と並んで、当院の柱となっています。肝臓手術に関しては東京医大から応援の医師が来ることもありますね。まだ余力がありますので、症例を増やしていきたいです。しかし、患者さんは初診で外科に来られることはまずありませんので、内科の医師に来ていただければ、結果として外科を活気づけることになると期待しています。」
3.整形外科
大平院長、岸本明雄部長、東邦大学医療センター大橋病院からの派遣常勤医師のほか、3人の非常勤医師が在籍している。四肢の外傷、慢性、変性疾患のリハビリテーションを含めた保存療法のほか、骨折観血的手術、人工関節置換術、膝靱帯再建手術、椎間板ヘルニアなどの脊椎外科手術を行っている。骨折観血的手術では必要に応じて、MIS(最小侵襲手術)にも取り組んでいる。
牧野記念病院が臨床研修病院だった時代に東邦大学出身者を多く受け入れ、その医師たちが東邦大学医療センター大橋病院に入局したことなどから、同病院と繋がりができた。東邦大学医療センター大橋病院では脊椎・脊髄センターを開設し、経皮的椎体形成術(BKP)、腰椎除圧術などに取り組んでいるが、副センター長である伊藤圭介医師が牧野記念病院で脊椎外来を行っている。
「少しずつ常勤医師、非常勤医師も増えましたし、充実感がありますね。私は大学の医局に在籍していた10年間は急性期の総合病院での勤務がメインでした。仕事自体は充実していましたが、地方への転勤となると単身赴任になる可能性が高かったので、臨床をするなら一般民間病院でもいいと考え、当院に来たのです。当時は整形外科の常勤医師がいなかったので、科の設立を一から担ってきました。一宮先生、斉藤先生のバックアップのお蔭で、私自身が掲げる理想の医療の実現のための挑戦を続けてこられたと思っています。私は大学では膝を専門にしていたのですが、当院は膝だけの患者さんは少ないです。やはり外傷が中心になりますね。手術は人工関節置換術もありますが、外傷がほとんどです。件数は年間200例から250例となっています。」
4.小児科
炭田敏博部長のほか、3人の非常勤医師が在籍する。現在は予約優先制で診療を行っている。対象疾患は感染症やアレルギー疾患などである。
「病床がありますので、入院患者さんも取りたいのですが、一人常勤医師体制では難しいところですね。入院が必要な患者さんはほかの病院にご紹介しています。お父さん、お母さんを診ているのに、子どもは診ないというのでは地域の方々にご迷惑をかけてしまいますので、外来に力を入れています。地域の方々に『小児科があって良かった』と言っていただくと、嬉しいですね。」
5.脳神経外科
かつては非常勤医師が中心の診療科だったが、現在は中嶋浩二部長が常勤医師として、診療にあたっている。
「現状では脳神経外科のスペシャリストは中嶋部長一人だけですので、大変だと思います。脳卒中などの治療や手術の場合は昭和大学藤が丘病院、横浜新緑総合病院などにお願いしたり、逆に急性期を過ぎた、亜急性期、慢性期の患者さんを当院で受け入れたりしています。」