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高度な医療を、全ての人に平等に
医療法人 徳洲会 東京西徳洲会病院
病院の特色
1.循環器内科
急性心筋梗塞、狭心症といった虚血性心疾患に対する血管内カテーテル治療に取り組む。特にTRI(経橈骨動脈冠動脈インターベンション)を積極的に実践している。薬物での治療困難な不整脈疾患に対するカテーテル治療による根治術や下肢動脈の狭窄や閉塞、腎動脈狭窄といった全身の動脈硬化疾患全般に対する血管内カテーテル治療も行う。また、心臓血管外科と連携し、虚血性心疾患や弁膜症、先天性心疾患に対する精密検査、その後の内科的薬物治療、外科的治療を実践している。
「全国に誇れる熟練したカテーテル技術や経験により、体に負担の少ない医療をご提供し、私どもの病院をリードしている診療科です。365 日24 時間対応の循環器センター独自の救急体制を整えており、昭島市を中心として広汎な地域からの循環器疾患の救急要請を引き受けています。心臓カテーテル件数は東京都内で14位、多摩地区でも榊原記念病院に次いで2位となっています。」
2.消化器内科
消化器内科では消化管と肝胆膵についての診療をメインに行う。消化器がんの診断と治療、消化性潰瘍や逆流性食道炎の診療や胃十二指腸潰瘍のある方のヘリコバクターピロリ菌の診断と除菌療法、炎症性腸疾患の診療、肝疾患や膵炎の診療、C 型慢性肝炎のインターフェロン療法などが中心だ。
消化器の内視鏡検査とポリープやがんの内視鏡的治療、肝がんの経皮的局所療法やカテーテル治療、胆道系の内視鏡的治療や経皮的治療などを行い、消化管出血や異物誤飲、急性閉塞性化膿性胆管炎など緊急を要する治療については24 時間対応可能な体制作りを進めていてきた。
消化器がんについては消化器外科、腫瘍科、放射線科と連携しながら診断、治療にあたっている。内視鏡検査では希望者には鎮静剤の使用や経鼻内視鏡検査を行う。消化管の早期がんでは内視鏡的粘膜下層剥離術によるがんの一括切除を目指す。
「消化器内科では消化器外科とともに2010年春に消化器センターを開設し、消化管および、肝胆膵の消化器全般の診療を行ってきました。しかし、昨年秋の常勤医師の一斉退職で、現在は常勤の消化器内科医がいない状態となり、4人の消化器外科医でやりくりしているところです。そのため、消化器内科医に是非、お越しいただきたいと思っています。消化器内科医がいらっしゃれば、外科としても一層の協力を惜しまず、強力なタッグが組めるはずです。」
3.外科
消化器センター外科部門は菊一院長を筆頭に4人の外科医で診療にあたっている。外科の特徴は内科部門、放射線部門、病理部門と連携して枠にとらわれない総合的な診療を行っていることにある。2010年度の手術件数は年間約500例で、内視鏡外科手術をはじめ、低侵襲手術を積極的に導入している。
「手術件数が多く、オーバーワークになってしまったことが医師が疲弊した一因ではないかと反省しているところです。私どもでは消化器の病気だけでなく、肺、甲状腺、血管などの病気も取り扱っています。最近は病気も多様化の様相を見せており、消化器の病気と他の病気を併存していることも多々ありますが、当院では総合病院の強みを活かして、泌尿器科や形成外科とも連携して治療を行っています。形成外科は4人のチームで、切断肢などの救急外傷の時間外対応も行っています。」
4.脊椎外科
湯澤洋平部長が活躍する診療科である。2008 年7 月に脊椎センターが開設され、湯澤部長はセンター長も兼任する。2009 年の脊椎手術の件数は約200 件で、2010 年は250 件以上と順調な伸びを見せている。他院では脊椎手術の際、高度脊椎変形、高齢者、重度糖尿病、血液透析、悪性疾患などを理由に断られることが少なくないが、東京西徳洲会病院では疼痛が軽減する見込みがあれば、そのような患者さんに対しても手術、治療を行っている。
最近ではバルーンカイフォプラスティ術も始めた。日本では2011年1月に保険治療の認可が始まったばかりの治療で、脊椎の圧迫骨折で腰痛が続いている患者さんに対して、つぶれた脊椎骨の中にバルーンを入れて持ち上げて、そのスペースに骨セメントを注入するもので、現在、日本で可能な数少ない施設の一つとなっている。
「私どもの看板になっている診療科の一つです。湯澤部長は内視鏡手術のエキスパートで、非常に症例が増えていますね。広域から患者さんがいらしています。」
5.関節外科
主に膝関節、スポーツ整形外科を中心に専門的な取り組みを行う。加齢による変性疾患から若年者におけるスポーツ外傷、障害まで、対象は幅広い。手術は関節鏡を用いた靭帯再建術、半月板縫合術や肩関節脱臼に対する鏡視下Bankart法による手術、人工膝関節置換術、人工股関節置換術などが中心である。今後は高気圧酸素療法の導入も視野に入れている。
「森戸俊行部長はスペシャリストであり、スポーツリハビリテーションセンターやリハビリテーション科と密接に連携を図って、診療を進めています。ただ、一般整形外科医がおりませんので、一般整形外科医を募集しています。ジェネラリストとスペシャリストがきちんと連携できれば、診療科全体がさらにアクティブになります。センター化構想と言いましても、地域の皆さんのニーズに応えていかないといけませんので、関節外科に限らず、総合診療と専門性とのバランスをとることが肝要だと思っています。」
6.小児科
常勤医師、非常勤医師ともに3人ずつ在籍している体制となり、行政や地域からのニーズに応える形で小児救急を復活させた。
「設立時の構想では小児救急を含めた小児医療をという要請に応えようとしていたわけですから、現状はまだまだですね。近隣を見ても、東京医科大学八王子医療センターや青梅市立総合病院が頑張っておられます。このほど、東京医科大学八王子医療センターが整備されましたので、そちらの受け皿として、私どももさらに貢献できたらと願っています。」
7.放射線科
放射線医学センターは画像診断部、PET/CT・アイソトープ部、放射線治療部の3 部門で検査、診療を行っている。画像診断部、PET/CT・アイソトープ部は最新の放射線画像診断装置、熟練した放射線専門医および診療放射線技師を配して、院内外の画像診断や緊急IVR を担当する。放射線治療部はPET/CT 放射線治療計画、体幹部定位照射、強度変調放射線治療(IMRT)、小線源治療など高精度の放射線治療を施行している。
「治療医1人、診断医2人の体制です。日本放射線腫瘍学会準認定施設であり、専門医を育成する機関です。消化管出血、肝動注塞栓術などの緊急IVRでは救命治療としての貢献をしており、近隣の医療機関からは1 カ月120件から140 件のご依頼を受けています。PET/CTがありますので、近隣からの依頼検査や読影件数は豊富ですね。」