病院の特色
1. 内科
伊賀名張地区の内科、救急医療を担当する中核病院として、通常の上部、下部消化管内視鏡検査のほか、糖尿病などの生活習慣病、呼吸器感染症や緊急性のある疾患の診療などのニーズに対応する。内科常勤医師の少ない分野は非常勤の血液腫瘍内科のほか、肝臓内科、呼吸器科、糖尿病内科、神経内科からのサポートを受けている。消化器内科は村山卓医師と近畿大学と三重大学の内視鏡担当医師を中心に、内視鏡によるポリープ切除術、総胆管結石や胆管狭窄などの専門的治療を行う。松岡信良副院長はリンパ腫、骨髄異形成症候群などの血液疾患やそのほかの腫瘍について、緩和医療を含めた診療などを主に担当する。2013年4月に赤池美恵医師が加わった。
「伊賀・名賀医師会の病院連携のもと、救急医療を含め、伊賀地区の患者さんから信頼され、『気軽に相談に応じ安心して受診できる職場環境』をモットーに、コメディカルやほかの診療科との連携により、『現在より明日に』医療レベルが向上することを目標に診療しています。」
2. 外科
外科では主に、上部消化管、胆嚢、下部消化管、肛門、乳腺などの疾患を扱う。上部消化管内視鏡や大腸内視鏡、乳がん検診などの検査から診断、手術や化学療法などの治療、術後外来フォローや緩和医療など、一人の主治医が可能な限り、臨床検査技師、放射線技師、看護師、薬剤師、管理栄養士らと協力して、責任を持って対応している。
消化器外科専門医で外科部長の大澤亨医師、外科専門医の中森康浩医師、二木元典医師の常勤医3名体制である。
「都会の病院にはない、アットホームな雰囲気が自慢の診療科です。日本外科学会、日本消化器外科学会の専門医教育認定施設でもあります。」
3. 心臓血管外科
心臓血管外科は2000年12月に現副院長の家村順三医師が赴任したときに開設され、2002年5月に開心術を開始した。現在は地域内唯一の手術対応を行っている診療科である。心臓血管外科専門医3人を擁し、さらに非常勤でも国内では有数のStent graft挿入術の施行数を有する心臓血管外科専門医が在籍する。また、麻酔科にもJB-POT(日本周術期経食道心エコー認定医)の資格を持った医師が常勤しているため、常に協力しながら手術、術後を管理しており、三重県でも有数の充実したスタッフの施設となっている。
心臓手術の件数が増加しているが、90歳以上の患者さんへの冠動脈バイパス術や、85歳以上の患者さんへの弁手術なども行うほか、バチスタ手術で知られる左室形成術も行っている。
「医師だけではなく、レベルの高い臨床工学技士や、協力的な看護師をはじめ、多くの職種のスタッフと、非常に良い関係でチーム医療ができていることが特徴として挙げられますね。これが当科での安全性の高い医療の提供に繋がっていますし、現在の低い手術死亡率に直結していると考えています。」
4. 泌尿器科
泌尿器科も地域内で手術対応を行っている唯一の診療科である。一般泌尿器科のみならず、血液浄化部門、小児泌尿器科も診療している。
一般泌尿器科は腎結石、尿管結石、膀胱結石などの尿路結石、副腎、腎、尿管、膀胱、前立腺、尿道、精巣、後腹膜などの腫瘍、前立腺肥大症、過活動膀胱、尿閉、尿失禁などの排尿障害、急性腎盂腎炎、急性前立腺炎、急性精巣上体炎、急性膀胱炎、急性尿道炎などの尿路感染症などに対して、手術治療や薬物療法で治療している。
血液透析は24床を有している。血液透析でのシャント作成やPTAといったブラッドアクセスに関する手術や、続発性副甲状腺機能亢進症による副甲状腺摘除術も行う。
小児泌尿器科は水腎症や尿路奇形、停留精巣、排尿障害や夜尿症などが多く、奈良県立医科大学からの非常勤医師が診察を行っている。
「標準的治療を提供することを目指しながらも、患者さんやご家族のご希望にも添える治療にも対応している診療科です。」
5. 小児科
365日24時間の二次救急体制を敷いているが、急性疾患のほか、慢性疾患や皮膚科疾患も対応している。慢性疾患は気管支喘息、アレルギー性鼻炎が多く、てんかんや熱性痙攣などの神経疾患も診ている。皮膚科疾患ではアトピー性皮膚炎が中心だが、低身長、甲状腺疾患、夜尿症なども幅広い範囲を診ていることも特徴だ。
「小児科は宮原雅澄部長、大槻静医師の2人体制ですが、三重大学からのバックアップ体制も充実しており、子どもに起こる全ての症状に対して、ご家族の方が安心して相談していただいています。」
6. 脳神経外科
伊賀市内で唯一のオンコール手術体制を整備している。診療内容として、くも膜下出血、脳動静脈奇形、脳内出血、脳梗塞などの脳血管障害、脳腫瘍、脊髄腫瘍、脊椎管狭窄症、OPLL、ヘルニアなどの脊椎疾患、脳脊髄外傷をはじめ、手指のしびれなどの末梢神経疾患、顔面けいれんや三叉神経痛などの機能神経外科など、神経に関するほとんどの疾患に対する診断と治療を行っている。
血管内手術も積極的に行い、地域の患者さんの強い要望から、脳卒中には特に力を入れている、超急性期の血栓溶解療法(tPA治療)から慢性期の血行再建術まで幅広く、かつ迅速に治療を行う。
「今後はますます予防医学が重要になると考えられますので、脳ドックを行うことで、脳腫瘍、未破裂脳動脈瘤の早期発見や脳梗塞の予防などにも積極的に取り組んでいるところです。」