病院の特色
横浜病院は内科、精神科を標榜し、医療療養病棟、精神療養病棟、介護療養病棟を有した病院だ。印象的なのは医療と介護が充実している点である。その一つとして、モジュラータイプの車椅子や超低床ベッドを導入し、患者さんが快適に過ごせる環境を整えている。
このように医療や介護に加え、理学療法や作業療法などのリハビリテーションに力を入れていることも特徴である。また、歯科医師や歯科衛生士による口腔ケアを毎月、実施し、誤嚥性肺炎の防止にも努めている。院内デイケアや音楽療法なども行っている一方で、最新の医療機器を導入し、診断技術を向上させている。
「急性期病院での治療を終え、在宅や介護施設では診ることのできない患者様を受け入れている病院です。認知症の方が多いですが、精神科の医師による診療を行っているため、重度の方の受け入れも可能です。内科では癌の終末期や重度の糖尿病や肝硬変疾患も診ています」
箱崎院長に横浜病院に入職した医師が経験できることについて、伺った。
「精神科もありますが、内科系で言えば、ほとんどの患者さんが高齢者で、慢性期疾患ですので、感染症や内科の症例を多く学べます。一人の患者さんが多くの疾患をお持ちですし、慢性期医療にはゴールがわかりにくいので、急性期医療とは異なる取り組みをしないといけません。ある意味、非常に難しい医療ですね。私も若い先生方と悩みながら、患者さんやご家族に接していますよ。感染症に関しては臓器だけでなく、栄養管理を含め多面的に感染症学に沿って診ています」
多職種連携も特徴の一つだ。
「一人の患者さんを医師、看護師、ケアキャスト(介護職)、リハビリのスタッフ、お世話課、栄養課の全職員がしっかり診ています。『チーム医療』に取り組んでいますが、自然にできていますね。コメディカルスタッフがご家族のことなどをよく把握してくれていますので、医師としては仕事がしやすいです」
療養型病院は介護職の存在が必須であるが、横浜病院では介護職をケアキャストと呼び、病棟配属前後の教育を充実させている。介護開発室という名称の部署があり、病棟と同じベッドや寝具を使用した介護研修を行っている。
「ケアキャストは現場に出るまでに3カ月の教育を行っています。解剖生理から臨床、法的な部分も含めて、座学での教育をしっかりやってます。医師による講義もあります。当院では看護師とケアキャストに関しては、屋根瓦式の教育システムを作っています。ほかの病院や介護施設での経験がある人や年齢が上の人でも、当院に入職したばかりの状態では後輩として教育を受けるという歴史があります」