運営・経営方針
1.運営・経営方針
横浜病院では病院全体のビジョンや戦略をもとに、部門ごとに目標を定め、それを実行する計画を立案し、実践している。また、カイゼン活動、ご家族様アンケート、サンクスカード、リスクマネジメント、経営・品質向上プログラムなどにも積極的に取り組み、経営を強化している。
「理念追求とビジョン実現を目指すために、理念と実際をどう整合させるのかということで、7年ほど前から実行計画の策定しています。各部門が問題意識を持ち、PDCAサイクルを回し、毎月1回、部門ごとに進捗を確認します。四半期ごとに経営幹部がレビューをして、私もアドバイスをします。プロセス指標をたてて、達成具合が定量的な評価できるようになっています」
2.地域連携
地域清掃、「げんきかいだより」を通じて地域連携を行いつつ、各医療機関との連携も強めている。横浜市北部は高齢者が多いため、医療連携は必須である。
「当院の患者さんは急性期病院からのご紹介がほとんどです。大学病院をはじめ、神奈川県全域からのご紹介があるほか、アクセスがいいので、東京からも少なくありません。この地域は急性期病院や介護施設は多いのですが、療養型病院が少ないので、当院としては急性期病院と介護施設の中間にあたる存在、つまり地域のハブ病院を目指しています。ある程度の亜急性期の患者さんにもお越しいただけるようになれば、地域の連携もより深まりますので、療養型のハブ病院となれる病院づくりを行っていく予定です。内科と精神科を標榜していることは強みですし、これから外来も立ち上げますので、地域包括ケアシステムにあたっても療養型を軸に考えていきたいです」
3.今後の展開
この地域に慢性期疾患をお持ちの患者さんが多いのは確かですが、医療と療養だけで生き残っていくのは難しいと考えています。急性期医療の実践は困難でしょうが、当院には理学療法士、作業療法士、ケアキャストといった優秀な人材が豊富なので、亜急性期から慢性期までを切れ目なく対応していきたいですね。かつてのイギリスで言われていた「ゆりかごから墓場まで」ではありませんが、外来から当病院にかかった患者さんが在宅に戻ったり、病院に来たり、施設に行ったりしても、見守りから看取りまで診ていければ学ぶところが大きいのではないでしょうか。
また、認知症になってからではなく、50、60歳代の健康な時から「認知症予防」ができないかということも模索中です。「物忘れ外来」にいらっしゃる患者さんは既に認知症の初期であるケースも多いのですが、欧米や日本のエビデンスを見ても、さらに前にできることがあるはずです。今後は外来機能を持ちますので、そういった実践も可能になるでしょう。
サプリメント、ホルモン療法、美肌作りなどのアンチエイジングではなく、長寿で健康で、個人の幸福、満足度の高い「サクセスフルエイジング」の達成を目指して、医療からうまくアプローチし、80歳、90歳、100歳まで診ていければ理想ですね。医師のみならず、看護師、ケアキャスト、リハビリスタッフ、管理栄養士、事務系スタッフといった多職種の総力を挙げて、横浜病院のニューモデルを実現していきます。