運営・経営方針
1.運営・経営方針
永田院長に運営や経営にあたって、取り組んでおられることなどを伺った。
「地域の自治体病院の経営はなかなか難しいところもあって、それに見合うだけの地域の医療をカバーしてこうということで取り組んでいます。地域包括ケア病棟を作ったのもその一つです。ご自宅に直接帰れない方に、最長2カ月、平均30日ぐらい入院していただき、リハビリを中心に取り組んで、在宅復帰を目指しています。そういった取組みをこれからもしていきたいですね。以前の当院は全て急性期だったのですが、周囲に大病院ができると、大きな病気をしたら、大病院へ行くという流れになってしまいました。しかし、在院日数短縮のためその病院からすぐには家に帰れなくなっています。その点、当院では急性期から回復期まで入院治療ができるメリットがあります。肺炎や胆石の手術なら、大病院よりも地元で治すのが理想です。地元で何とか治療できる範囲内のところを全てカバーできるように、病院として取り組んでいこうというのが病院全体の方針です。地域密着型の病院運営をしていくことを考えています。現在、医師数は常勤、非常勤と合わせて32人です。人数は少ないですが、柔軟性がありますから、若い先生がいらしたときには自分の特徴を活かして、色々なことをやっていただけるはずです。」
2.地域医療・医療連携
続いて、永田院長に地域連携や医療連携について、取り組んでいることを伺った。
「地元の高砂市医師会と共同して、毎月『高砂オープンカンファレンス』として色々な勉強会や交流を図るような機会を続けさせていただいています。看護局は年に6回ぐらい、地域の様々な訪問看護ステーションの方に来ていただいて、一緒に勉強し、地域全体でレベルアップを図ろうとしています。そういった地道な活動が認められて、昨年の9月に地域医療支援病院として承認されました。そういう意味では良い方向に向かっていますね。」
3.今後の展開
地域の急性期が半分、地域の在宅復帰医療支援が半分、このバランスをうまく取ることが大事です。しかし、働いている人の意欲を失わせないことに大きな意味があります。「地域を守るために、皆さん、これをやってください」だけだと、逆に皆が疲れていってしまいますから、自分達がやりたい医療というのもある程度は確保しながら、その中で地域の医療を守っていくという部分も持って、楽しく仕事していただきたいと思っています