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人権を尊重し、安全・安心・信頼の医療・介護・保健活動を
病院の特色
1. 地域総合内科(家庭医療)
西淀病院では地域で頻度の高い症状や疾患に対して、初期救急診療、総合外来診療を行い、必要な場合は入院医療を提供している。一般病棟以外に地域包括ケア病棟、回復期リハビリテーション病棟も有し、ポストアキュート、サブアキュートの患者さんへの診療や退院調整、リハビリテーションの提供を行っている。
「いわゆる通常の急性期病院の内科ですと、呼吸器や消化器といった臓器別に分かれるところですが、当院は呼吸器や消化器の患者さんであったとしても、その疾患だけを診るのではありません。内科は合併症がある患者さんが多いのですが、当院の医師にはそういった方をしっかりマネジメントできる力をつけていただきたいです。一方で、いわゆる臓器別の専門分野を持たない医師でしたら、色々な疾患を幅広く診ることができますし、患者さんを丸ごと捉えて、ご家族とも良好な関係を築き、退院後の生活を保障できるといった総合的な力を発揮していただけます。また、当院の地域総合内科にはもともと小児科や病理科を専攻していたけれども、幅広く内科を診たいという研修的な意味合いで来ている医師も受け入れています。そういった方々は一定の臨床経験をお持ちではありますが、当院ではきちんと指導医をつけ、定期的に研修到達度を振り返り、確認しながらステップアップをしてもらっています。当院には地域包括ケア病棟もありますが、地域包括ケア病棟は臨床経験があまりない人の研修の場としても有効です。」
2. 呼吸器科
呼吸器チームは呼吸器疾患全般を診ているが、気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)の増悪に対しては人工呼吸管理などの治療のほか、教育やリハビリも行っている。肺がんに対しては気管支鏡検査で診断し、化学療法や緩和医療であれば西淀病院、手術や放射線治療が必要な場合は他院を紹介している。睡眠時無呼吸症候群については検査入院を行うほか、継続治療の場合はのざと診療所で対応している。
「のざと診療所は外来診療に特化していますので、定期通院の患者さんはのざと診療所で診ています。以前、この地域は公害指定地域で、公害の問題が大きかったときは当院の医師が西淀川公害訴訟に関わっていたこともあって、喘息やCOPDの患者さんを積極的に診療してきた歴史があります。そのため、地域の方々の中に咳や息切れなどの呼吸器症状があれば、当院が得意にしているという認識があるようです。手術や放射線治療などは大阪府済生会中津病院、JCHO大阪病院をはじめ、患者さんが通院、入院しやすいところをご紹介しています。」
3. 糖尿病・代謝科
糖尿病の入院治療は教育、診断、血糖コントロール、合併症評価、インスリン導入、足病変フットケア、透析導入などを行っている。また、教育入院では担当看護師を中心に、患者さん一人一人に教育をしている。
「糖尿病の血糖コントロールの入院は診療報酬として評価されないので、それに積極的に取り組むDPC対象病院は少なくなってきたのですが、当院はDPC対象病院ではないため、そういった患者さんも受け入れています。糖尿病は全身の血管に影響を及ぼしますので、全身的な評価をしたうえで、インスリンを初めて導入したり、患者さんに糖尿病についての知識をしっかりつけていただくということをプログラムとして確立させています。何カ月もの教育入院をしていただくことはありませんが、2週間ぐらいの一定のスパンでしっかり教育し、外来診療が再開してからも悪くならないようにということを意識しながら取り組んでいます。」
4. 消化器科
消化器チームでは食道がん、食道潰瘍、胃がん、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、肝硬変、肝臓がん、膵炎、炎症性腸疾患などの消化器疾患の検査や治療を行っている。
「当院には消化器外科がないので、その意味では侵襲度に限界はありますが、胃カメラ、ERCP、腹部アンギオなどに力を注いでいます。特に高齢者の方で、開腹手術のような手術は大変だという方を対象にして、丁寧に対応しています。」
5. 整形外科
のざと診療所での保存療法、西淀病院での手術療法と機能を分けているが、西淀病院には回復期リハビリテーション病棟もあるので、リハビリにも力を入れている。手術に関しては人工関節置換術の件数が多い。
「加齢に伴う股関節や膝関節などの変性疾患が多く、人工関節置換術を積極的に行っていることは一つのアピールポイントです。膝や股関節は年齢のせいだと思って諦めていらっしゃる方も少なくありませんが、手術をしたら杖が不要になったり、ワンランク上がる可能性も十分ありますので、患者さんには「迷ったら、まずご相談を」と伝えています。また、転倒による外傷の患者さんも一定数は来られますので、受け入れています。
6. 血液浄化室
入院患者さんの透析導入、外来患者さんの維持血液透析、血液吸着療法、エンドトキシン吸着療法、白血球吸着療法などに対応している。
「25床のベッドを有しています。通常の通院で来られる患者さん以外にも、回復期リハビリテーション病棟や地域包括ケア病棟を持っている関係で、急性期の入院や治療後の退院調整のために時間が必要な患者さんや透析をしながら調整リハビリが必要な患者さんも受け入れています。そうした病院は少ないようで、ご紹介をいただくことも多いので、基本的には断らずにお受けすることを心がけています。」